北海道ツーリング(道央・道東編)

7月11日(火)
 翌日、上陸4日目。もう滞在予定の半分を消化してしまった、早いもんだ。残りの日数を充実して過ごさねば。今日の天気は曇り。まずまずってところか。とりあえず手初めに開陽台を目指す。すぐ近くだし、ライダーたる者、一度は行っとかないと。
 宿で一緒だったライダーさんと誘い合って現地へ。駐車場にバイクを止めて、丘の上の展望台に登る。ん〜確かに見晴らしはいいですねえ。けど天気のせいもあってか、噂の地平線てのがよくわからない。思ってたよりも感動はイマイチ。まあ2度と来ない訳ぢゃなし、またいつか来ればいいさ。ライダーさんとはここで別れ、私は根室方面へ向かうことにした。その前に宿で教えてもらった、お勧めの直線道路をチェック。ほほう、なかなかいい感じの道ですね。
中標津の真っ直ぐな道

 国道に戻ってもおもしろくないので、このままこの道を下ることにする。どうせここいらの道は並行して真っ直ぐ走ってるんだし、迷ってもたいしたことないだろう。丘の向こうまで続く道を一気に走り抜ける。さあ丘を越えたぞ、と思ったらまた向こうの丘まで真っ直ぐ、そしてその丘を越えたらまた次の丘まで・・・ずっとこれの繰り返し。いったいどこまで続いてんだろ?だいたい何で曲がらないんだ?(笑)。いい加減飽きた頃にやっと他の道に突き当たった。
 そこから道道8号線に合流して再び南下。ここも同じようなもんだ、ほとんど真っ直ぐ。北海道の人は道は真っ直ぐでないといけないとでも思ってるのだろうか(笑)。ほんとに飽きちゃったので、ワザとルートをそれる。なんかおもしろいとこないかなーと探してると、ポツンと建ってる鉄塔を発見。どうやら展望台のようです。気付けばすっかり天気も良くなってるので、今度こそと展望台に登る。そしたらこの景色ですよ。ひゃー、気持ちいいですね!

新酪農村展望台からの景色

納沙布岬にて  十分景色を堪能してから、再び南下開始。もう道なんてどうでもいいや、適当に走ってればいつか国道にぶつかるだろう。道なりにデタラメに走りまわってたら、しばらくしてR44に合流。どこをどう走ったかわからないけど、結構楽しめた。
 R44からは根室へ向かってひた走る。近づくにしたがって再び天候が悪くなってきた。何となくイヤな予感、と思ったら案の定、納沙布岬では一面に海霧が。どうも海沿いはイカンなあ、この時期はしょうがないのかな。
 とりあえずここで名物おばちゃんの呼び込みに誘われて遅い昼飯。カニ丼なるものをガッついてたら、となりに座ってた自衛隊のおっちゃんが「兄ちゃんこれ食べな」と毛ガニをくれた。おお、ゴチになります!と遠慮なくいただく。それを見ていた他の隊員も、「兄ちゃん俺のもあげるよあんたのは食いさしだろう!(笑)。そういえばあなた方、ひょっとして軍用車で観光してんぢゃ?まあいいか、カニをくれる人に悪い人はいないだろ(笑)。私は何も見ませんでした。
 さてと、腹一杯になったことだし、そろそろ行くか。バイクのところへ戻ってみると、バッグに突き刺してたホクレンの黄旗が無くなってる。そういえば隣に止まってたバイクはその黄旗が揃ってなかった。くそー、ソイツの仕業か。いくら黄旗で全部揃うからといって、フツー人のを取るか?上機嫌のはずが一転して不愉快になった。いったい何しに北海道へ来てんだよ、全く。

 ブツブツ文句を言いながら移動開始。今度は霧多布へ行ってみよう。北太平洋シーサイドラインを通って西へ。あいかわらず海霧がはって景色が悪いけど、国道走るよりは変化があっていい。対向車もほとんど来ないし、快調なペースで霧多布に到着。最初に岬まで行ってみたけど、例の如く誰もいない。いったい何故なんだろう、もしかして避けられてるのか(笑)。
 たった1人で海をボーッと見て、そのうち寒くなってきたので出発。途中、琵琶瀬展望台から湿原を望む。なかなかのもんですね。天気が良ければもっと綺麗なんだろうな。

霧多布湿原

 そのままシーサイドラインを通って厚岸へ向かう。そろそろ時間的に宿を探さなければいけないな。厚岸着いて道の駅で休憩、手頃な宿がないか探してみる。時間は既に5時頃。うーん、あんまりおもしろくないなあ。マップを見ながら他にいいとこないか探してると、釧路まで40kmちょっとだということに気付いた。これは30分もあれば行けるな、よし行こう。即断即決で釧路へ、ほんとに30分ほどで着いた。北海道は時間計算しやすくて助かるなあ。
 ガイドに紹介してあったビジネスホテルへ滑りこんで、無事今宵の寝床を確保。後は晩飯だ。宿でいい店ないか教えてもらって、適当に飲み屋の暖簾をくぐる。さあご当地モノをいただきましょうか!関西弁丸出しで大将に注文してると、隣に座ってたおっちゃんが話しかけてきた。「どっから来たの」「兵庫県の姫路です」「姫路?!俺昔住んでたんだよ!」。聞けばおっちゃんは商社マンだそうで、20年程前に転勤で姫路支店にいたとのこと。「あっこにアレがあっただろ」「今もありますよ」「そうか、いやあ懐かしい!」。
 おっちゃんすっかり上機嫌で、勝手に地酒やご当地モノをいっぱい注文して、「青年!飲め、青年!」とドンドン注いでくれた(笑)。途中でおっちゃんは帰る時間だから、と先に店を出たけど、たらふく食ったお勘定全部払っていってくれた(確か2人分で1万円超えてた)。いやあ、北海道の人っていい人だあ!(笑)。地元の人に触れられて、大満足の一日でした。本日の走行距離、352.2km。

7月12日(水)
はるにれの樹  上陸5日目、7時に起床。心なしか頭が痛い(笑)。昨日飲みすぎたかな。フラフラしながらバイクに跨って宿を出発。今日も天気は曇り気味。道東の夏はこんなもんなんですかね。
 とりあえず湿原を見ておきたかったので、一番近い釧路市展望台へ。あれ、何だよお金取るの?しぶしぶ払って展望台へ上がる。予想通り景色はモヤってたいしたことなかった。クソ、お金損した!一瞬他の展望台へ行こうと思ったけど、今日の天気ぢゃどこ行っても一緒だろうと諦め、先へ進むことにする。
 R38を海沿いに西へ。確か豊頃に生命保険のCMに使われた木があったっけ、そこへ行ってみよう。十勝川へ出たあたりから看板どおりに道を進む。堤防づたいに走っていくと、ありましたありました。へー、これがはるにれの樹か。何もない草原にポツンと3本ばかし立ってるので、結構印象的。傍まで歩いていくと、先客はまた誰もいなかった。さびしいなあ。昼頃まで1人でボーッと景色を眺めます。このパターンが多いな、今回は(笑)。天気も良くなってきたので、ちょっとお昼寝。
 さて、そろそろ腹が減ったな。帯広の街まで行けばいろいろあるだろう、てことで帯広に向かう。駅前あたりでバイクを止めて、適当にみつけたお寿司屋さんでイクラ丼を頬張る。うーん、やっぱり本物のイクラはおいしい。値段の割には量が少ないのが不満だったけど、お金もったいないので追加はなしです。

 さあ、腹に燃料蓄えたところで、そろそろ行きますか。お次の目的地は愛国駅と幸福駅。もう廃線になってるからどうって事ないけど、せっかく近くにいるんだから見て損はないでしょう。
 R236を南下してまず愛国駅へ。静かですね、誰もいません。駅舎だけがポツンと残って、中に写真とか飾ってました。記念写真だけ撮って、今度は幸福駅へ移動。こっちはもっと静かです。それに何だ何だ、愛国駅とは打って変わって駅舎にいっぱい名刺とか貼ってるぞ。下品だけどなかなか味を出してます。暇なので1枚1枚見ていく。日本全国、いろんなところから来てるな。よく見ると免許証が貼ってたりして。コイツ帰りは不携帯で帰ったのかな?私はそこまでやる気ないので、名刺を貼っときました。今もちゃんと残ってんのかなあ。近所の売店でお約束の『愛国→幸福』切符買って(発行日は7.7.7)、ここはこれくらいでオッケーかな。

愛国駅にて   幸福駅

 ふと時計を見ると、まだ2時頃。今日はこの後えりも岬まで進む予定にしてたけど、このまま行ってもつまらないので、どこか寄り道するところを探す。R336沿いの海岸線の沼が綺麗らしいので、えりも岬とは逆方向へ進んで湧洞沼へ。おお、確かに綺麗です。静かで自然がいっぱいで、太陽がまぶしい。ほのぼの〜っとした気分で、またもやお昼寝。あーいい気持ち。
 しばらくボサーっとしてて、ふと気付いて時計を見ると、もう4時前。しまった、のんびりしすぎた。慌ててルートを逆戻りしてえりも岬へ向かう。R336黄金道路を海沿いに南へ南へ。黄金とは作るのにいっぱい金かかったから付いたそうです。ウンコが由来ではなかったか(爆)。それにしてもこの道はホント海がすぐ傍。所々波を被ってる場所があった。海がシケってたらコリャ通れないぞ。今日は天気が良くてよかった。
 途中フンベの滝で休憩とりながら無事えりも岬に到着。とりあえず展望台のところまで行ってみる。時間が遅いから、ここでも観光客が少ないです。海を眺めながらふと振り向くと、後ろの山脈の尾根が尖ったまま海へ沈んでいく感じがよくわかりました。なんかダイナミックです。

えりも岬にて   尾根がそのまま海中へ入っていきます

 さて、そろそろ宿を探さなければ。ここから先へ進んでもなさそうなので、えりも岬で泊まることにし、辺りをキョロキョロ。展望台から下を覗きこむと、宿が1軒あるのを発見。ここでいいや、と早速滑りこむ。1人客なのにいやな顔一つせず、広い部屋に通してもらいました。食事はいたって普通でしたけど、泊まれるだけで満足です。風呂に入って片付け事して、ボチボチ寝るか。ムニャムニャと寝床に入り、ゆっくりと眠りにつく。
 どれくらいたったか、痛みを感じて目が覚めた。なんだあ、と思って電気つけると、手にでっかい蜘蛛の死骸がついていた。ゲゲッ、もしかしてコイツに刺されたの?不安になってあたりを見渡す。もういないだろうな。壁と天井を確認してから、あらためて寝る。
 しばらくすると、今度は耳元で「ブーン」。ああ、もう!気になって寝られない。電気を再びつけて、部屋中犯人を探し回る。1時間ほど探し回って、いい加減諦めた頃に目の前に出現。「貴様ぁ〜!」パチーン!!見事撃墜、今度こそ眠れるぞ。やれやれ、と電気を消して再び寝床へ。
 やっと眠りについたか、という時に、今度は傍の灯台の霧笛が「ボー」。あああ、やかましい!眠れねえぢゃねえか!!結局この日はほとんど眠れず、最悪!本日の走行距離、364.5km。

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